作り出す前の本
たとえば『つぶやきさん』の原稿はこんな感じです。
①両目と口の写真をなるべくアップでとる。自分でも他の人でもOK。
②A4くらいの大きさに印刷して、目と口を切りぬく。
③裏面にのりをつけて、家の中のもの(表面が平らじゃなく曲がっているものがオススメ)にはりつける。
④しばらくながめて、何をつぶやいているか想像する。
④の終わりが”想像する”です。原稿を読みながらニタニタしていました。
「そうさくのたね」には”その手”の工作が40点のっています。
金沢21世紀美術館が2024年で20年目。開館から続くワークショップを元にした本が「そうさくのたね」です。私はイラストを担当しました。
工作は、アート作品を元にしたものや美術家さんが考えたものなど様々です。大人であっても、こどもの頃に工作が好きだった人でしたら『作りたい』な気分をくすぐられるのではないでしょうか。
私の役目は、分かりやすいイラストを描くこと。子どもが作ることだけに没頭できるようなモノを目指します。あともう一つが”小学生の頃のジブンが前のめりになるイラスト”というのが裏テーマでした。
ということで”わかりやすさを前提にしながらも魅力的”という辺りを模索しながら、サンプルイラストを作成です。

話し合った結果、Aに決定。
ただ個人的にはBがお気に入り。Bはダメですか?と聞いてみたところ、ワークショップに参加する人には色盲の方もいらっしゃるとのこと。線が描かれている方が良いという答えでした。「ナルホドー!」です。
タッチが決まればあとは描くのみ。どうすれば、子どもたちにとってわかりやすいかを話し合いながら、イラストを完成させていきました。

テープの貼る向き、ハサミの持つ手、段ボールの切り方などなど、
担当者さまからの修正の一つ一つにワークショップで培われた知恵を感じ「ナルホドー!」の連続。イラストにそれらの知恵がサラリと叩き込まれています。
ステキな本ですのでプレゼントにも良いですぜ!
そうさくのたね
制作時期
2024/04/15 - 2025/02/19
制作日数
ラフ:30日
仕上げ:30日
仕上げ:30日
制作物
小イラスト140点
使用ソフト
Illustrator