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26年9月の見たり読んだり

○日本美術の冒険者/中野 明
俵屋宗達の作品で「ぜひ見たい!」と思ったものが、ことごとくフリーア美術館に所蔵されていた。
気になって調べてみると、アメリカの蒐集家フリーアが作った美術館だった。
この本は、彼の生涯についてまとめられている。
若い頃は実業家として、後半生は蒐集家として生きた人だ。
彼は、日本ではまだ知られていなかった宗達を高く評価していた。コレクションには国宝級のものもある。眼は相当なものだったのだろう。とはいえ、彼の前にそうした物凄いものばかりが現れたわけではなかったようだ。日本の美術商も色々で、紛い物で儲けようとする者もいる。玉石混淆の人と作品の中から、時には「石」も掴みながら、「玉」をものにしていったようだ。
最後は国にコレクションを寄贈し、美術館が経済的に継続できる仕組みまで遺している。お見事!
彼のコレクションを観に行ってみたい。
○『朱子語類』訳注 巻百十七・百十八訓門人五~六/垣内 景子 (編)
朱子先生は厳しい。弟子に投げかける質問は、ドキリとするものばかり。答えによってはコテンパンにされる。
読んでいると、「先生、あなたのようにはできそうにないよ……」と思うようなところもある。
ただ、こうした考えも、彼に言わせると「学ぶ姿勢」の問題になるのかもしれない。
いずれにしても、朱子が好きになる。彼の言葉には「この人はリアルだ」と思わせる熱がある。おそらくだけど、自分の吐く言葉通りに生きた人なのではないか。彼の言葉を書き留めた弟子たちも、彼との対話を、厳しくも楽しい修行と捉えていたのかもしれない。
○年齢の嘘/ジョン W ローウェ , ロバート L カーン
体力がなくなったとか、言葉が出てこないとか、40代の若造でも調子に乗って「老い」を口走ってしまうことがある。ただ、実際のところ、そうした「老いた姿」は運命ではないようだ。もちろん、そうならないためにやるべきことはあるけれど。
とはいえ、やるべきことは常識的なものばかり。ということで、目次を読むだけでも良いかもしれない。
眺めるだけで、ちょっと元気になれる。
○サイコロジー・オブ・マネー/モーガン・ハウセル
「新NISAの前に、そもそも投資ってナニよ?」という素人には良い本らしい。
そう聞いて読むことにした。
本から得られる教訓は、書く必要もないほど当たり前のことかもしれない。(4章にはびっくりだけど。)
ただ、緊急事態には、その「当たり前」が守れなくなる。もちろん、僕も守れないだろう。
となると、投資との付き合い方が決まってくる。投資をするというのは、未来が明るいことに賭けること(のようだ)。もし、そちらにベットするのなら、「損してもいいや」程度のお金で、賭けたことを忘れるくらい気長にやる。それが僕の付き合い方になるのだろう。
○盗まれた月/和田誠
和田誠さんの図録に載っていて、絵があまりに魅力的だったので購入。
月の不思議を材料に、かわいいお話と絵で見事に料理。和田さんの初めての絵本だそうだけど、絵には力んだ感じもない。すげぇなぁ。

