2025
12/29

2025年12月の見たり読んだり

すずしろ日記 四/山口晃
作品の印象のせいか、フニャフニャの線にもとてつもない技量を感じる。ちょっとした絵に「うめぇなぁ」とホレボレしたり、自分と地続きの生活にニヤついたり、作品に向き合う姿勢にこうべを垂らしたりする。

地図と拳/小川哲
面白かった。惜しむらくはオススメの文章とか動画を見て読んだことだ。何も知らずに読んだら、もっと興奮したんだろうなぁ、と思える本。

図鑑 中国絵画の歴史/馮 翰林 (著, 編集)
中国を代表する74作品とその鑑賞ポイントを丁寧に解説してくれている。中でも王希孟の「千里江山図巻」は圧巻。(この本では11メートルを超える全貌を載せてくれている)老練の絵師と思ったら、18歳が描いた作品とのこと。23歳で亡くなったこともあって、現存する彼唯一の作品だそうだ。いやぁ、びっくり。中国にはまだまだすごい人がいるのだろう。中国版「奇想の系譜」のような本があるのであれば、ぜひ読んでみたい。

14歳からの哲学/池田 晶子
“当たり前”を前に池田晶子さんは立ち止まる。哲学者にとって“当たり前”とは、とてつもなく不可思議なもののようだ。取り上げているのは14歳からでも考えられることばかりだけれど、私が考えたこともなかったことばかり。で、42歳にして彼女の驚いた“当たり前”に驚いた。

密林一きれいなひょうの話/工藤 直子 (著), 和田 誠 (イラスト)
工藤直子さんのかろやかな文章と和田誠さんの天才がほとばしる絵。ページをめくって「わぁ…」と声がもれた。

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