2025
01/31

甥のノルマ

甥に会うといつも模写をする。
決まって2つ、甥から依頼を受けて描くのが決まりだ。初めに頼まれたのは電車だったような気がする。それが虫になり、鳥になって、ポケモンになった。小学生の興味の変わり様が楽しい。

その日は甥が最後の一つを決めきれず、悩んだ末に「何でも良いから好きに描いて」というお題に落ち着く。ソレを聞いて戸惑った。手を動かそうとするが動かない。困って周りを見渡し、図鑑に載っていた『毛がフサフサのフクロウ』を模写して凌いだ。

自分のゴマカシにショックを受ける。
もともと「好きに描いて」と言われるのは好きだったはず。それこそが大好きなお絵描きだった。それが絵が仕事になり、資料を見ながら描くのが当たり前になった。そのせいか資料なしでは絵が描けない体になっているではないか。

白い紙の前に座り、手の赴くままに筆を動かし、ステキな絵を生み出す。
そんな理想のジジイ像から遠のいている・・。

ということで毎日15分、手の赴くままにお絵描きをするようになった。臆病な手の動きと出来た絵の残念さに悲しくなる。また「好きに描いて」の楽しさが戻ってきますように。

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