2024
12/26
12/26
2024年を振り返る
今年は、本阿弥光悦に夢中になった。
あまりに尊敬して、墓参りにも行った。
京都の街を見下ろす鷹峯(たかがみね)にある光悦寺。
手入れの行き届いた美しい庭の、少し外れたところにある。
木に囲われ、光と気温が抑えられた十畳ほどの空間。
その中央に彼のお墓が一つだけある。光悦はお墓さえも美しい。
光悦が気になり始めたのは尾形光琳がきっかけだ。
光琳の作品に光悦が関わった工芸品の模倣があり、とても魅力的なのだ。
どんな作品を残した人なのかが知りたくなった。
刀、工芸品、書、陶芸・・
調べてみると、仲介としてプレイヤーとして、いろんなものを作っている。
驚くのは広い美観だ。
琳派的な美しさを職人たちと作り上げたことは言うまでもないが、
茶碗を見ていると、偶然とか拙さを良さとして取り入れた人でもある(と思う)。
光悦は陶器作りでは素人。こねて形を作る以外は全てプロ任せという人だ。
で、焼いてみたら割れていた。そのまま地面に叩きつけてもいいソレを、金継ぎして名をつけた。やってることは、デュシャンじゃないか。(時系列で考えると、デュシャンを見て、光悦じゃないか、というのが正しいのだけど・・・。)
光悦が残した光悦からはみ出した作品をながめていると、自分にこだわる自分がケチなヤツに感じられる。それがとても心地良いのだ。