2023
06/15
06/15
橋関2
「庭は突っ切って、絵を観に行こう。」
そんな思惑をそっちのけにする。白沙村荘にはそんな庭園がある。
歩けば橋本関雪の美意識がビンビンと伝わってくる。身の置き場で風景がガラリと変わる。それが不思議で、同じところを行ったり来たりした。中でもそそられたのが茶室だ。入れなかったが、遠目に中からの眺めは確認。ここでの一服は最高だろう。畳に寝そべって庭を眺めてみたい。そんなことを思いながら展示会場に向かう。
若い頃の才気あふれる絵も好き。でも32歳以降どんどん凄みを増していく印象。それに反して取り上げる場面は劇的なものから何気ないものになる。
三国志の三顧の礼であれば、出会いのシーンは描かない。孔明の家に向かう劉備一行を山水画の一部として描く。
少女が男装をして戦功を上げる。そんな故事「木蘭」では、少女の日常を取り上げる。
平生にこそ生命がある。そんなことを考えていたのかもしれない。
彼が影響を受けた儒教とも通ずる。
いずれにしても、そんな場面を魅力的な絵にした。
恐ろしい。