2025
10/29
10/29
2025年10月の見たり読んだり

◯オルエットの方へ/ジャック・ロジエ
「今度のバカンスは最高のモノにするぞ・・」といろんな人が考えるのだろう。それぞれの身勝手が大変な動力で進んでいく。見ていて「こいつらイヤだなぁ」とか思いながらも、そうした熱を持てなかった私には、美しくもありうらやましくもある。
◯いい音がする文章/高橋久美子
どうやら私も音派である。本を読めば声は出さないけれど、頭の中で声を出す。舌もモゴモゴと動いている。アレアレ?となった文章は、小さな声で口ずさむ。高橋さんは文章における音の大事さを、いい音で教えてくれる。
◯趣都/山口晃
著者のファンである。彼の絵を見れば大満足という類である。だから彼の絵が表紙のモノは買うのである。ということもあってか、著者の日本橋話には共感するところがある。個人の美観を主張するのは、偏狭であっても愛おしい。けれど権力を持つと怖いなぁと思うのだ。
◯莫山つれづれ/榊莫山
莫山先生の書く字は、子供の私にはサッパリだった。ただ40過ぎて改めて見ると、マネしたくなる字だ(同時にマネできないぃ!とも思う)。愛するものを力感なく語る。はっきりと意見しているのに「うるせー」とはならない。その清々しさは何だろうか。それにしてもこの本は莫山先生の101冊目の本のようだ。1年に2冊出しても50年、末恐ろしい。
◯老子/金谷 治 ◯老子/池田知久
◯老子道徳経 (井筒俊彦英文著作翻訳コレクション)/井筒俊彦
「言葉ではソレ自体を表現できねぇぞ!」という宣言から始まる老子。分かるとは言えないけれど面白い。で、楽しくなって訳者を変えて3つの「老子」を読む。という残念なことをする。

