2025
07/02
07/02
2025年6月の見たり読んだり

◯サクリファイス/柳田邦夫
知的で、子どもの話をよく聴き、理解する。そんな父親になれればなぁとか思う。
そして文章を読む限り、柳田邦夫さんはそういう父親だ。それだけにこの本は痛い。柳田さんと同じ境遇にいたとしたら・・と妄想すると、気分は暗くなる。強烈に自分を疑わしく思える点でも読んでよかった。
◯ユングの生涯/河合隼雄
「私の自分についての理解は私の唯一の宝物であり、最も偉大なものである。」
と二十歳ごろにユングは夢を見て直感したらしい。無意識を探索する時も、異文化に触れる時も、自己認識を取り付く島のように大事に扱っていたようだ。そんなユングの普段を”ケチで短気な田舎の親父”と近くにいた人たちが評していたらしくて、なんだかとても嬉しくなった。
◯明恵 夢を生きる/河合隼雄
明恵が見ている夢がすごい。明恵にしてもユングにしても、なんなのだろうか。
同時代を生きた法然や親鸞のように、自分が始祖とする宗派を持たなかった明恵。ではあるけど、貞永式目(御成敗式目)に大きな影響を与え、その後の日本人に小さからぬ影響を与えたらしい。女性を惹きつけ、惹きつけられながらも、釈迦の教えをまっとうした人生がなんとも美しい。ということで貞永式目を購入する。
◯ルノワール/早川千絵
最高でした。
善悪を知る前の好奇心が女の子を動かす。その姿と映像にみとれながらもハラハラ。ラストで顔をビショビショにして、エンディングの曲もまた良い。曲を作ったのは”honne”というアーティストらしく、ホンネ?とローマ字読みでひとまず記憶したら、本当に『honne(ホンネ)』だった。
◯怪物園/junaida
「次はどんな絵?」でページをめくり、見てとろけて、絵が描きたくなる。そんな絵本。