2025
06/11

ネに文句を言う

最近、甲骨文字をよくみる。

きっかけは安田登さんの「あわいの時代の『論語』」。この本によると、論語で使われている文字には孔子の頃になかったものが混じっているらしい。そんな事実にびっくりしてから、文字のルーツが気になりはじめた。『字通』という銃弾でも貫けそうにない辞書を横に、中国古典を読む。昔からありそうだと思っていた『飛』や『地』は甲骨文字・金文には無かったり、『臨』のような複雑なのが甲骨文字の頃からあったり、今とは意味合いが違っていたりと調べてみると面白い。

で、”しめす”偏だ。祭祀や占いに関わるためか”しめす”偏の漢字は甲骨文字の頃からかなりある。のだが、この偏は”ネ”ではなく”示”のままでよかったのではないか。

『福』も『福』の方が、『神』も『神』の方が漢字の意味合いが伝わるような気がする。何よりネが”ころも”偏に似すぎている。”示”のままであれば、子どもたちを迷わせる”しめす”or”ころも”みたいなことも起こらなかったのではなかろうか。

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