2023
07/06

魔女再見

息子と「魔女の宅急便」を観ることになった。

ソファで胡座を作ると、息子がその上に座る。感じる体温とつむじの匂いを楽しみながら、オープニングのシーンを眺める。風にそよぐ野草の描写から美しい。オープニングのシーンだけでも相当な労力がかかっていそうだ。そんなことを思う。そして、キキが母に出発を伝えるシーンで驚く。

あのお婆さん、魔女じゃなかったのか・・。

リウマチの薬をもらいに来たおばあさん。鷲鼻で大きな杖。だから魔女だと思っていた。魔女の修行の内容から考えても有り得ないのだが、その容姿に引っ張られて、ずっと勘違いをしていたようだ。

これを皮切りに、今まで見逃していた様々な点に気づいていく。いったい今まで何をみていたのだろう?

変わらないのは、昔も今も面白いと感じていること。息子もそれには同感のようで、キキが街を飛び回るシーンなど、派手な活劇に上半身が前のめりになる。おそらく、少年の私も、主人公たちが躍動する姿だけで十分だったのだろう。だから、旅立つ娘を見送る父やパイを受け取る女の子の反応がどうであろうと関係なかった。もちろん、おばあさんが魔女でも何でも良かったのだろう。

今回は、水彩で描かれているであろう背景含め、人物たちのちょっとした動きから感じる登場人物たちの背景も楽しい。ちょっとした感情の機微を丁寧に表現をしようとした人たちの熱にジンと来る。もちろん、派手なシーンも息子同様に胸おどる。懐が深い。

「魔女の宅急便」は面白いです。

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